Date: Mon, 28 Aug 1995 13:54:53 +0900
From: Ryutarou OHBUCHI
Subject: [climbing 766] Brief report of my trip to U.S.A.

大渕です

私は3週間の休暇を取ってSIGGRAPH'95にゆきました.ついでに,藤沢山岳
会の出浦さんたちと合計3人で2日間(8/6ー8/7),Lake Tahoe エ
リアでクライミングをしました.(出浦さん,高橋さん,お世話になりまし
た)一日目に5.8あたりのルートを一つ,5.11bあたりのルートを一
つ登り,二日めには5.9のルートを1つ登りました.夜が涼しく,昼も日
陰ではTシャツで寒いくらいで,空気も乾いていてなかなか良いコンディショ
ンでした.

8/19からIACアルパインの藤森さんと Yosemite National Park に入
り,El Capitan の麓の5.9を一本,それから#4のCamalotを買って(出浦
さん,結局買いました.)Glacier point apron にゆき,The Grack (5.6)
(3pitch) をやりました.これは,藤森さんには natural pro で初めての
マルチピッチのフォロウでした.(このルートは易しいけれど,2ピッチめ
のフィンガークラックが最高です.3星ルートです.)

後(8/20ー23)は涼しい Tuolumne meadows に移り,Stately
pleasure dome の West Country (5.7?) とか,Daff dome の Ailmony
crack (5.8?)  とか,同じく Daff dome の West Crack (5.9?) とか,3ピッ
チから4ピッチ程度迄の,易しいクラシックルートをやっていました.出浦
さんたちのように,目標を持ってガンガン登る人たちは偉いと思います.
(Fairview dome の Regular route (5.9) やりたかったよー.)

ちなみに,Daff dome では,5.10c のフェースをリードしていてボルトにク
リップする直前で落ち,15m(20m?)くらい逆向きスキーをして滑り
落ち,そろそろ寿命に来ていた5.10 Lynxのソールの息の根をを完全に止め
てしまいました.日頃の山スキーのトレーニングが効いたのか,ずっと足で
立っていたので,怪我はほとんどなく(左手の人差し指の爪をすこしはがし
た),英語で悪態をどなった後,さっさと登りました.あとで,したで見て
いたパーティーに,「あれだけ落ちた後で,良くさっさとのぼったな」と褒
められてしまいました. (私の名誉のために,落ちたのは,見物人がクリッ
プ寸前にクラクションを鳴らしたのが一因,と言い訳しておきます.ケシカ
ランことに,私が落ちた後,見物人は喜んでいました.)(ちなみに,1度
張りカエをした Lynx がおなくなりになったので,帰国後の8/27にカモ
シカスポーツでまたまた Lynx を買ってしまいました.)

あと,8/21くらいから雲が多く,8/23にはついにDaff dome の 
West Crack (5.9?)の3ピッチ目を終えてビレイアンカを入れたところで土
砂ぶりに捕まってしまいました.ドームはアットイウ間に滝となり,「竜
(太郎)の滝登り」.登り切った方が楽だったものの,その後の下りの4th
雨の中でするのは危ないと思ったので,撤退を決意.ギアを残すのが持った
いないので,3ピッチめの雨に濡れた5.8のクラックをダウンクライムし
(ロープがクラックに引っかかってフリーソロとなり,ちょっと恐かった),
2ピッチめ1ピッチめを rappel して,寒いよーと言いながら帰りました.
(2ピッチめのアンカーに黒に金色の渦巻の入ったビナを残したので,回収
してきてくれた人にはアイスクリームの大盛りをおごります.)

8/23には,出浦さんたちも訪れた川温泉(Hot creekという川が温泉に
なっているに行き, Mammoth Lakes に泊まりました.8/24に Los
Angeles に戻る前に町のすぐとなりにある crag にいって,半日,乾いたス
イ壁/前傾壁でスポーツクライミングを楽しみました.この crag は小さい
ですが,5.10aが2つ,5.10b,5.10d, 5.11a, 5.11b,それに5.8のクラッ
クが1づつあります.すべてのルートを片端からオンサイトして,Anything
Goes というところでランチを食べ,Los Angeles に向かいました.

ところで,このエリアには3歳くらいと5歳くらいの子どもをつれたフラン
ス人の夫婦のクライマーがいました.話しを聞いたら奥さんの名前は 
Pasqual Noel (sp?) で,日本で前にやったコンペティションで優勝した人
でした.(ドーリでうまいと思った.)彼女らも,全ルートをあっさりとオ
ンサイトしていました.彼女は,「ミエによろしく」(大島三枝さんのこと)
と,「アキコによろしく」(大岩さんのこと)と言っていました.ちなみに
この夫婦は,前の年には El Capitan の The Nose を1.5日で登ったそう
です.彼らの言うには「1日で登ろうとしたけれど,えらい疲れちゃって,
結局1日半かかっちゃったよ」だそうです.たいしたものです.(ところで,
大島三枝さんは最近どうしているのでしょうか?)

帰りがけに Bishop の Wilson's east side sports という shop(なかなか
良い店です.アメリカではクライミングシューズの張り替えで有名です)に
より,また買いものをしてしまいました.Pasqual たちが使っていた Petzl
GriGri です.ビレイをしながら写真を取るのに便利そうだったので.

東京に降り立った時の感想は,「う,蒸し暑い」でした.空気も汚いし...
Mammoth Lakes の町あたりで仕事がないかなあ.Mountain biking,
backcountry skiing, climbing をするにはなかなか良いところですよ.

-----
Ryutarou Ohbuchi

[Copyright (c) 1995 by Ryutarou Ohbuchi]